ポン・ブルックス彗星と地球照|基山・基肄城(きいじょう)跡|佐賀県三養基郡基山町

ポン・ブルックス彗星,地球照
kehogi-photo

こんにちは、kehogiです。

2024年4月が最適な撮影タイミングだったポン・ブルックス彗星ですが、春霞み・黄砂・PM2.5などの影響を受け、また天候にも恵まれず、なかなか撮影に行けずにいました。

そんな中でも、撮影に3回出掛けた記録です。

YouTube動画も投稿しているので、そちらも見てもらえると嬉しいです。

ポン・ブルックス彗星について

ポン・ブルックス彗星
  • 国際的な正式名称は、12P/Pons-Brooksで、70年周期で宇宙を巡る周期彗星です。
  • ポン・ブルックス彗星は、1812年にフランスの天文学者ポン(ス)によって発見されています。その後、1883年にアメリカの天文学者ブルックスによって再発見されたことから、2人の名前が彗星の名称になっているようです。
  • ポン・ブルックス彗星は、ポンス・ブルックス彗星とも言うようです。
  • 2024年4月20日に近日点(太陽に最も近づく時)を迎え、2024年6月上旬に地球に近づく予定ですが、日本から観察できるのは、3月下旬から4月上旬にかけての短期間です。
  • 日没後の西北西の空に見えます。

今回の撮影地・基山について

福岡市および近郊の街と、鳥栖市・小郡市・久留米市など人口の多い街に囲まれた山で、星の撮影条件が特に良い場所ではありませんが、天気が微妙で遠出を控えた僕には、最適な場所でした。

また過去には月食や、2020年12月・冬至に起きた木星と土星の最接近(コンジャンクション)を、この場所で撮影しました。

車で行くには、基山草スキー場を目指し、駐車スペースから10分ほど、息を切らし草スキー場の斜面を登ると基山山頂に着きます。

そこは太古の城・基肄城(きいじょう)跡です。

基山(きざん)・基肄城(きいじょう)
  • 基肄城は600年代に、大野城(福岡県)とともに築かれた日本最古の本格的な山城です。
  • 築城された理由は、朝鮮半島での戦い「白村江の戦い」で敗れたことによるもので、国防を固めるため、巨大な堤防である水城(みずき)・大野城とともに作られました。
  • 奈良時代には、大宰府の長官である大伴旅人が基山に登り、大宰府や都の官人らと歌を交わすなど、文化交流の舞台にもなったようです。
  • 国の特別史跡に指定されています。
  • 基山草スキー場に、駐車スペースとトイレがあります。

前回、唐津市でのポン・ブルックス彗星

佐賀県唐津市呼子町での1回目の撮影の様子は、下の記事に書きました。

佐賀県唐津市での記録
春の風と,ポン・ブルックス彗星|佐賀県唐津市|風の見える丘公園|呼子町|加部島|玄海町
春の風と,ポン・ブルックス彗星|佐賀県唐津市|風の見える丘公園|呼子町|加部島|玄海町

今、記事を書いているのが4月30日。
思い返すと、この4月は春霞み・黄砂・PM2.5の影響を受けたり、天気が悪い日が多かったりで、なかなか星空の撮影に行けなかったですね。

天の川撮影シーズンでもあるので、星撮りさんはヤキモキしていたと思います。

佐賀県唐津市呼子町,夕景

もちろん僕もヤキモキしていて、貴重な晴れ予報を受けて、2回目の彗星撮影に出掛けたのですが、現地では雲が広がっていました。

ポン・ブルックス彗星
a7R4:Mモードで撮影,焦点距離200mm(クロップにより300mm相当),絞りf2.8,ISO1600,シャッタースピード60秒(バルブ撮影)/APS-Cモードで撮影(×1.5倍クロップ)/赤道儀使用

しかし、雲が切れる予感があったので、諦めずに時を待ちました。

曇り空に現れたポン・ブルックス彗星は、再び雲の中に入ってしまいましたが、この1枚だけ撮ることが出来ました。

ポン・ブルックス彗星
上の写真を拡大したもの

長い尾を写すことは出来ませんでしたが、再び彗星に会えたことに満足しました。

基山でのポン・ブルックス彗星

ポン・ブルックス彗星,木星,地球照
a7R4:Mモードで撮影,焦点距離98mm(クロップにより150mm相当),絞りf4.0,ISO800,シャッタースピード10秒/APS-Cモードで撮影(×1.5倍クロップ)/赤道儀使用

この日は、月と木星とポン・ブルックス彗星が近くに集まる日で、撮影した写真を拡大すると、木星の衛星も写っていました。

ポン・ブルックス彗星,木星,地球照
a7R4:Mモードで撮影,焦点距離280mm(クロップにより420mm相当),絞りf4.0,ISO800,シャッタースピード8秒/APS-Cモードで撮影(×1.5倍クロップ)/1.4倍テレコン使用/赤道儀使用

霞みと月の光の影響を受けて、彗星を明瞭に撮影出来ませんでしたが、地球照の月が、とても美しく撮れました。

地球照は、太陽の光を地球が反射し、月の暗い部分を浮かび上がらせる現象で、肉眼でも見えますよ。

前回も書きましたが、以前のシリウスb撮影でのピント合わせ失敗を教訓に、Sony純正リモコン・RMT-P1BTを使用して、ピント合わせを細かく追い込んでます。

ポン・ブルックス彗星 振り返り

ポン・ブルックス彗星
a7R4:Mモードで撮影,焦点距離200mm(クロップにより300mm相当),絞りf2.8,ISO800,シャッタースピード20秒/APS-Cモードで撮影(×1.5倍クロップ)/赤道儀使用

霞んでいたものの、初回が一番条件が良く、彗星の長い尾を写すことが出来ました。

日没して、空が本格的に暗くなり彗星が写しやすくなるまで1時間半ほど掛かり、そこから1時間程度の儚い時間で沈むポン・ブルックス彗星。

撮影に行った3回とも気象条件が悪く、いずれも1時間も撮影は出来なくて、他の機材や撮影方法を試せませんでしたが、僕なりのベストは尽くせたと思っています。

ポン・ブルックス彗星
上の写真を拡大したもの

ポン・ブルックス彗星が、次に飛来するのは70年後。(もう会えないね)

次は肉眼で見える明るさで、戻ってきてね。
今の若い世代や、これから生まれる世代が、夜空を見上げられるように。

ベストな条件下で、ポン・ブルックス彗星を撮影することは出来ませんでしたが、今年の秋に飛来する紫金山-アトラス彗星(C/2023A3)を前に、彗星撮影方法を鍛えてくれたと思っています。

今年の秋に飛来する紫金山-アトラス彗星(C/2023A3)は、肉眼で見える可能性が高いと予測されています。

機材の有無とか関係なく、月食のように、みんなで夜空を見上げたいですね。

見てくださいね

YouTube動画

ポン・ブルックス彗星の撮影3回の記録を動画にしました。ぜひ見てくださいね。

この日のカメラと編集メモ

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この日のカメラ・機材

①YouTube動画の、基山での風景動画
iPhone13Pro

②ポン・ブルックス彗星(月と写っている写真)
カメラ:Sony α7R4
レンズ:Sony FE 70-200mm F2.8 GM(SEL70200GM2) ,1.4倍テレコンバーターSEL14TC
赤道儀:Vixen ポラリエU 、極軸望遠鏡
微動雲台:K-ASTEC XY60
三脚:マンフロット MT055XPRO3

  • 焦点距離200−600mmの望遠レンズを試したかったのですが、いずれの回も出来ませんでした。(条件が悪く短時間しか撮影出来なかったため)
  • 天体用の画像処理ソフトを持っていないので、全てAdobe Lightroomで編集。動画に挿入した写真は、DaVinci Resolveでさらに手を加えています。

【写真編集・動画編集】
写真編集ソフト:Adobe Lightroom
タイムラプス作成: LumaFusion
動画編集: DaVinci Resolve(無償版で練習中)
YouTubeサムネ作成,写真への文字入れ: Canva Pro
PC: Macbook Air M1(メモリ16GB)

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