春の訪れ星空撮影,火映と天の川銀河|阿蘇山 烏帽子岳|熊本県阿蘇郡南阿蘇村
こんにちは、kehogiです。
2月ってとっても寒いから、”春は遠いな〜”って気分になりますよね。
でも、星空に目を向けると、明け方に天の川銀河が昇ってくるようになり、季節が移り変わって春、そしてその先の夏に向けて動き出していることを感じることができるんです。
2024年2月中旬、そんな星空を写真に収めに、阿蘇五岳(阿蘇山)のひとつ、烏帽子岳に登ってきました。
YouTube動画投稿をしたので、そちらも見てもらうと、景色だけでなく、その時期の寒さがより詳細に分かると思います。ぜひ見てくださいね!
余談ですが、この3月は体調を崩してしまい、YouTube動画編集と、ブログ執筆が2週間止まってしまいました。みなさん、冬から春への移り変わり時期は、特に体調に気をつけられてくださいね。
楽しく春を満喫しましょう。
草千里ヶ浜駐車場から、美しい草原・草千里ケ浜を眺めた先にある稜線が美しい山が烏帽子岳です。
草千里ケ浜駐車場から、歩いていきます。
阿蘇五岳のひとつである烏帽子岳は、土の登山道を登っていきます。火山の土というのか、雨の後や、雪・霜が溶けた後は、ぬかるんで滑りやすいので注意が必要です。
また2016年に発生した熊本地震により、木製の階段が崩れたような箇所もあり、傾斜が急な場所は注意されてください。
草千里ヶ浜を挟んで、東側ルートと西側ルートの2つの登山道があり、どちらも所要時間は60〜90分ほどです。(詳しくは、登山アプリや登山サイトを参照されてください)
なお、烏帽子岳と草千里ヶ浜を挟んでそびえる杵島岳は、山頂までは階段を含む舗装路で登れるので、スニーカーで登ることが可能です。以前の記事を参考にされてください。
一般的に、阿蘇山の火口と天の川を絡めて撮影するのは、杵島岳から撮る人が多いです。というか、烏帽子岳から撮る人は少ないですね。
(ただし、5月のミヤマキリシマが咲く季節になると、烏帽子岳人気は急上昇します)
火映とは
上の写真を見てください。噴火口が赤くなっていて、今にも噴火しそうな感じがしますよね。これが火映です。
火映というのは、活火山の火口上空が赤く映える現象で、赤熱した溶岩や火炎現象等が、噴煙や雲に映って発生するものです。
活動が活発化した火山で、夜間に見ることができます。
火映は肉眼で見えるの?
先ほどの写真は、高感度設定で撮影しているため、今にも噴火しそうに真っ赤に写っています。
後ほど写真をお見せしますが、過去にも火映の景色を見てきた中で、「肉眼では見えない」または「かすかに赤く見えるかも」程度の認識を持っていました。
それが今回驚いたのが、肉眼でもしっかり見えました。
YouTube動画では興奮気味に語っていますが、肉眼で、はっきり赤く見えて驚いています。想定ではありますが今回は、今まで見てきた火映よりエネルギーが強いのかもしれず、正直怖かったです。
余談ですが僕は、登山や沢登りで、無茶しているように見られますが、実は自然を恐れています。
畏怖の念を持ち、手を合わせたり、礼をして入山することも多いんです。
(もともと岩クライマー&沢登ラーなので、落石・滑落の怖さは身に染みているし、事故にあう人が周りにいたし、他チームの事故情報を得たりもしていたので)
過去に収めた火映の景色
初めて火映に会ったのは、2019年の春。
星の撮り方はよく分かってないけど、星が撮りたくて、たまたま噴煙が赤く染まっている風景が収まってました。
この日は、杵島岳の美しい景色に魅了され、これから阿蘇に通うことになった日でした。
その次に火映と出会ったのは、2021年12月。
この時も烏帽子岳から撮影しています。この時は火山活動が活発で、駐車場や展望所含めて誰一人草千里ヶ浜にいない中、烏帽子岳に登りました。(この時は規制エリアが広かったですね。規制エリア内には立ち入ってないですよ)
杵島岳から見る火口よりも、烏帽子岳から見る火口の方が近く感じることと(実際数百m近いようです)、火山のパワーをダイレクトに感じるアングルだと思っているので、正直怖くてたまらなかったですね。
だって、たった一人ですから。
(仙酔峡など他のエリアも規制されて立ち入り禁止だったので、阿蘇山上にいたのは僕一人だったと思っています)
同じく2021年12月、この時は太陽系に飛来したレナード彗星に会いに行きました。
火映の中から昇ってくるレナード彗星を収めることが出来て、とても感激し、この先も星空のフォトグラファーとして活動していこうと決めた夜でした。
年が明けた2022年1月、極寒の杵島岳山頂からの眺めです。上の写真には さそり座が写っていて、あと一月ほどで天の川銀河が昇ってくることを教えてくれました。
また、この時は新たなカメラとレンズを入手して、決意も新たに撮影に臨んでいます。寒さのせいだけでなく、5年ローンという気の長い支払いにも、震えていました。
もう1枚紹介したい過去の写真がありますが、後ほど紹介しますね。
火口の向こう側に天の川銀河が昇ってきました。
肉眼では、上の写真のようには見えませんが、キラキラした星の集まりが大地から昇り、高度を上げていく光景は絶景です。
また、かすかに赤いような部分と、その部分に挟まれた黒い部分(暗黒星雲)は、肉眼でも分かるので感動します。山に登らない方でも、草千里ヶ浜などから眺めてみてくださいね。
ちなみに今回撮影した天の川銀河は、タイムラプス動画内で春の雰囲気を演出するために、ギラギラではない やわらかい星空表現で、春っぽく(桜色っぽく)仕上げています。1枚で見ると、違和感を感じるかもですが、動画内ではアクセントになっていると自分では思っています。
もう1枚、流星が写っていました。天の川銀河を貫いています。火映と銀河と流星、神秘的ですね。
もう1台のカメラで、南阿蘇(阿蘇郡南阿蘇村、高森町)の風景を収めました。
まだ冬の様相の町を包む天の川銀河は、春の近さを伝えているように見えました。
先ほどの写真には、さそり座が写っています。分かりやすくスライドショーにしてみました。
さそり座は、長い尾に天の川銀河を引っ掛けて、大地から引き上げていきます。さそり座は大きい星座なので、壮大な光景ですよ。
今回も、VLOG形式の動画を作成しました。
見どころは、やっぱり火映、そして圧倒的なスケールの天の川銀河なんですが、あまりの寒さに僕がヘタっていく様も、リアルで面白いと思います。
神秘的な絶景を収めています。見てくださいね!
上の写真は2022年1月の夜明け間近の光景です。
火映を伴う火口から黄道光(太陽の通り道)が伸び、その先には流星が煌めいています。
実際に目で見た流星は、とても長いものでした。(広角レンズで撮っているので、小さく写っています)
僕は この写真に、”物ごとの始まり“と”夜明け“を意味する「黎明(れいめい)」というタイトルを付けています。何かがここから始まっていく気がしたんですよね。
そして今回の火映を見た僕は、昨年自主退職したので、新たな道を歩もうとしています。何かが始まるというより始めないといけない。そんな、武者震いのする2024年春になりました。
みなさんにとっての始まりとは?
始まりを表す「黎明」という言葉、覚えておいてくださいね。
みなさんにとって、素晴らしい春になりますように。
- +をタップ(クリック)すると開きます
-
①カメラ:Nikon Z6ii
レンズ:FE14mm f1.8GM
マウントアダプター:Megadap ETZ21
フィルターなし
三脚使用、レンズヒーター使用②カメラ:Sony α7R4
三脚使用、レンズヒーター使用
〈南阿蘇方向写真〉
レンズ:Sigma 20mm F1.4 DG DN | Art
ソフトフィルター:kenko プロソフトンクリア
〈火映の火口写真〉
コシナ Apo-lanthar 50mm
フィルターなし写真編集: Lightroom
ノイズ低減:DxO PureRAW2
タイムラプス作成: LumaFusion
動画編集: DaVinci Resolve(無償版で練習中)
サムネ作成・さそり座の絵挿入: Canva Pro
PC: Macbook Air M1(メモリ16GB)このブログに掲載しているa7R4とz6iiの写真は、3:2から4:3へトリミングしています。(ブログ掲載は、4:3が良いと思っているので)