阿蘇に訪れた春:阿蘇山(米塚)野焼き|熊本県阿蘇市|2024年3月
こんにちは、kehogiです。
阿蘇山に春の訪れを告げる風物詩・野焼き
2024年3月3日に米塚周辺で行われた野焼きを見てきたので、その風景を紹介しますね。
また、動画もYouTubeに公開していますので、ぜひ見てくださいね。
春の風物詩として、よく知られている野焼き
「人の手で、美しい草原を守っている」ということは、なんとなく知っていますが、もう少し調べてみました。
草原を美しく維持する
- 草原に生えた草は、放っておくと伸び放題になり、ヤブになります。(例えば町中の川原に生えた草でも、いつの間にか背の高さくらいに伸びてたりしますよね。)野焼きは、冬に枯れた草を焼きつつ、草原をヤブにしない役割を果たしています。
- 野焼きで焼かれた草原は、1ヶ月ほど経つと新たな芽吹があり、緑に覆われていき、4月頃から美しい草原を見ることができます。
- ダニなどの草原の害虫を駆除し、放牧する環境を守ります。
- 縄文時代から行われてきたと考えられているようです。数百年前からと書かれた記事もありましたが、いずれにしても長い間続けられている営みということですね。
自然を守る・水を守る
- 今回、ネットで調べて知ったのが、草原を覆う 草の根が持つ保水効果は森と同等と考えられているということ。
- 保水効果があるということは、山の土の流出を防ぎ防災の役割を果たしていると考えられます。阿蘇山周辺に住む方々への安全を守っています。
- 保水された水は、長い年月を掛けて地下水となり、麓の町を湧水として潤します。その水は、やがて大河となり大きな街を潤すことにもなりますね。
人の手で行われる
- 今回見た米塚付近だけでも、たくさんの地域の方が作業をされていました。野焼きは阿蘇山(阿蘇五岳)一帯、草千里ケ浜、外輪山一帯などでも行われるため、かなりの数の人たちで行われていると想像できます。
- また、火の勢いは強く、風に煽られるとさらに強くなります。そんな中での作業は危険を伴うものです。
- 観光用のイベントではなく、気をつけてないと危険が伴います
(ネットでは「見物客は来るな」的な個人的書き込みも見掛けましたが、立ち入り禁止場所に入らなければ、巡回しているパトカーから注意を受けることもありません。草地に入っていた撮影者は注意されていました。)
火はすぐそばまで来ます。目と耳で火の動きを、しっかり確認されてください。 - 道路規制の情報を事前に得る
野焼きが実施されるエリアの自治体(阿蘇市・南阿蘇村など)が、事前に道路規制の情報をネット等で告知しています。通行止め・迂回路・規制時間などの情報を得ておくといいですね。 - 車の停車位置に注意
路上駐車や立ち入り禁止場所での駐車をしないようにしましょう。
僕は下のマップにある米塚展望地付近の道路脇のスペースに、始めのうちは車を停めていました。(駐停車禁止場所にはカラーコーンが設置されていて、それがない場所)しかし周囲に火が迫ってきたのが分かり、急いで車を移動させました。
車は、ここから15分ほど草千里ヶ浜方向へ歩いたあたりの道路脇が、火の影響を受けずに停めれます。注意としては、道路脇の空きスペースなので、たくさんの台数は停められないし、路上へのはみ出し厳禁ってことですね。
- すぐに動けるようにする
上の項目で書いたように、人も車も急いで移動しないと危険な場合があります。機材や荷物を広げすぎない、撮影に夢中になって車から離れすぎないなどの注意が必要です。
今回の僕の失敗は、三脚の脚に養生テープを貼ったこと。別の物に貼っていたテープを後で再利用するために脚に貼っていて、急いで三脚を畳もうとしたら、テープが邪魔して脚が縮まらず、そのまま車に押し込みました。
今回に限らず、日頃しないような何気ない所作が、突発的な対応が必要になった時の障害になることを学びました。 - 人も車も機材も灰を被る
たくさんの灰が飛んできます。服に匂いがつくのは洗えばいいですが、カメラ機材はレンズ交換の際などに灰が入ることがあると思われるので、気をつけて。
※撮影可能場所・駐車可能場所については、今回僕が見て感じたことを書いていて、その時々で変わることもあると思います。警察の方などから注意を受けていないので、今回は問題は無かったという認識です。
注意点ばかり書き並べましたが、ルールやモラル、そして安全を守ってもらえればという僕なりのメッセージです。本当に素晴らしい風景ですからね。
野焼きの先に2020年10月に開通(復旧)した国道57号 北側復旧ルートが見えます。
僕の写真の歩みって、阿蘇や東峰村など災害で被災した地域の復旧を願った歩みでもあったので、ファインダー越しに見たこの景色は嬉しかったです。
2020年10月の開通直後、往生岳の山頂から眺めて、とても嬉しかったことを覚えています。
米塚付近に火が入れられると、圧倒的な風景を目にします。生き物が斜面を登っていくように炎が山頂を目指します。
上の写真が気に入っているのが、作業をされている人も写っているから。
「人の手によってもたらされる春」ということを強く感じています。
そして、この日はとても寒い日で、杵島岳の陽の当たらない斜面には、午後になってもツララが残っていました。
それでも春がやってきたと感じた日でした。
この動画を見てもらうと、素晴らしい風景と、危険性もよく分かると思います。
春を迎える人の営みを見てくださいね。
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YouTube概要欄に書いた内容を再編集して記述しますね。(撮影に関しては写真も同様ですが、主に動画撮影の内容になります)
■撮影機材
①望遠撮影(動画・写真)
カメラ:Sony α7R4
レンズ:FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(SEL200600G)
1.4xテレコンバーターも持っていきましたが使用せず、APS-Cモード(1.5倍クロップ)で寄りました
三脚&動画用雲台使用・時々手持ち②広角撮影(動画・写真・タイムラプス)
カメラ:Nikon z6ii
レンズ:コシナ Apo-lanthar 50mm
マウントアダプター:Megadap ETZ21
35mmも持っていきましたが広すぎたので50mm
三脚使用・時々手持ち■編集機材・ソフト
写真編集: Lightroom
タイムラプス作成: LumaFusion
動画編集: DaVinci Resolve(無償版で練習中)
PC: Macbook Air M1(メモリ16GB)・後で気付きましたがレンズ側の台座に少しだけ緩みがあったこと、風が強かったことにより、望遠レンズでの動画撮影は、堅牢な三脚を使用しても揺れてました。
手持ち撮影も行っていますが、どれも手ブレ防止機能と、動画編集ソフトのスタビライズ機能で、ブレは軽減されています。(DaVinci Resolveのスタビライズ機能は、驚くほど優秀です)・スロー動画は、S&Qモード・120fpsで撮影しています。ズームしているスロー動画は、動画編集ソフトで、ズームするようモーションを掛けています。
・タイムラプスは5秒間隔で撮影しました。
タイムラプスの撮影で、ホワイトバランスを自然光オートにしていたら、(おそらく)雲や煙で太陽の光が遮られた際に色が変わってしまい、動画では途中で色味が変化してしまっています。”晴れ”または”曇り”固定で取撮れば良かったのですが。
(なお悪いことにRAWでなくJPGで撮っていたので、編集でホワイトバランスを数値で変更出来ない。星空タイムラプスはRAWで撮ってますが、日中はJPGでいいやと考えちゃったんですよね。)・自分自身と車だけでなく、カメラ機材も灰を被ります。頻繁に阿蘇で星を撮っているので(風が強い日が多い)、センサーやレンズ内部にも灰が付着すると思っていて、さらに今回灰を浴びて思ったのが、「機材たちが壊れるまで使い倒そう、共に生きていこう」ということ。(売りに行っても、チリが入ってて査定低くなりそうだからね)